イチロヲ

怪獣大戦争のイチロヲのレビュー・感想・評価

怪獣大戦争(1965年製作の映画)
4.5
宇宙怪獣キングギドラの猛威に晒されているX星人と遭遇した人類が、地球上の怪獣を宇宙へと送り出す特殊任務を決行する。地球人と異星人の齟齬を描いている、東宝ゴジラ映画第6弾。ティム・バートン監督「マーズ・アタック」の元ネタでもある。

有人ロケットによるX星探索から物語が始まるため、ミニチュア特撮とセット撮影を駆使したレトロ・フューチャー感覚に浸ることができる。X星人の「ワレワレハ宇宙人ダ」もキッチュで面白く、水野久美の(素のままの)異星人感に惚れ惚れさせられる。

今までは怪獣が一方的に姿を現す展開となっていたが、本作では作戦を決行する側が怪獣の潜伏先を探し出そうとする。この発想の転換がポジティブに働いており、マンネリ化の打破に成功している。X星人の策略が判明してからの、ドラマの転調も見応え抜群。

怪獣プロレスは「ゴジラ&ラドン対キングギドラ」のハンディキャップ・マッチとなるが、地球人と異星人の都合に合わせて利用させられる毒薬のような扱いなので、とにかく可愛そうでならない。「シェー」なんてやってる場合ではないだろう、というのが本音。
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