爆裂BOX

サバイバル・フィールドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

サバイバル・フィールド(2009年製作の映画)
3.4
ゲームに参加する為、森に集まった若者達。二チームに分かれ、ペイント弾を当てて敵チームを倒す、それは単なる"スポーツ”のはずだった。だが、突然チームの一人が実弾で撃たれ死亡し…というストーリー。
サバイバルゲーム中の若者達が謎の殺人鬼に襲われるスペイン産のアクションホラーです。
突然の実弾の銃撃で仲間が死んだ事で、チームはパニックになり、仲間も信じられない疑心暗鬼の極限状態に追い込まれる。更に見えない敵の攻撃で次々死んでいくことになるという内容です。
ゲームのはずのサバイバルゲームが本当の生死のかかった戦いになっていくというアイディアは面白いですね。原題の通りペイントボールを使ったサバゲ―中に殺人者に襲われるという展開は「NAKED サバイバル・ゲーム」彷彿します。
序盤は、舞台となる森の中に連れてこられた若者達がサバゲ―行うのを手持ちカメラでワンカット風で描いていきます。今作、全体的にカット数少な目でワンカット風の映像が多いですね。主人公達が「自動車の墓場」でフラッグとアイテム探してる最中に敵チームの襲撃受ける所は臨場感ありますが、グラグラカメラワークで酔ってきます。敵の襲撃をしのいだ、と思ったら防弾チョッキ手に入れた奴が撃たれて、それがペイント弾ではなく実弾だと分かった瞬間、仲間の一人が射殺される所はテンポよかったです。
そこから森の中を逃げ回りながらリーダー格のデビッドの指示で次のフラッグポイントまで向かったりしますが、皆森の中移動しながらギャーギャー騒ぐ所は「敵に見つかるだろ…」とツッコんじゃいました。普通のサバゲ―でもそうなのに、本物の殺人鬼に命狙われてる状況なのに。敵チームの仕業かと思いきや、敵チームも同じく殺されてて、捕まえた敵チームの一人も言葉が分らないせいで状況が分らない所は良いですね。
登場人物も最初マスク被ってるせいで誰が誰かわからなくて誰が死んだかわからなかったですし、皆それほどキャラ立ってるわけでもないので感情移入もあんまりできません。リーダー格のデビッドは罠にかかった仲間から防弾チョッキ奪ったり、敵チームの人間言葉分からなくてイラついたのか躊躇いなく刺し殺したり、自己中でサイコな感じで他の面々よりはキャラ立ってたけど、凄いイカレっぷり披露することもなく中途半端な感じはあるかな。誰が主人公か分からないので最後まで残るのが誰か予想し辛い所はあるかも。
彼らを襲撃してくるハンターは終盤まで顔も映らず姿も中盤まで中々映りませんが、一切喋ることなく淡々と殺しをしていきます。でもそのせいでキャラ的には薄いかな。銃撃で殺すだけでなく、吊り下げられた犠牲者の真下に銃剣立ててロープを切って頭部突き刺したり、ナイフで喉掻き切って倒れた相手の防弾チョッキの中に小型地雷入れて踏んづけて爆発させたりしますが、そのシーンになるとハンターの白黒サーモグラフィ映像になるので、結構流血量出てても全然グロくないのでゴア描写としては残念な感じになってます。日に照らされた森に転がる死体はちょっとグロいですが。
森に仕掛けられたカメラや床から見る人々などで、薄々「あれじゃないかな?」と途中で気付く人多いと思いますが、主催者たちの正体はハッキリ言及されないけど予想通りではありますが、なんか一気に陳腐になるオチ持ってきたなと感じました。ハンターが主催者の指示無視して暴走し始める所はちょっと意外でした。ハンターのプライド刺激されたのかそれとも思い通りに殺したくなったのかな?殺し方指示してたのはあの書類通りにする為なのか。
唯一生き残ったアンナに主催者が無線で指示出してハンターと戦う所はゲームっぽくて面白かったですね。ラストは、結局逃がす気はなかったという事なのか。
グラグラカメラで酔ったり、ゴア描写がない等残念な点はありますが、人間狩りサバイバル物としてはまあまあ楽しめるんじゃないでしょうか。