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スター誕生のTのレビュー・感想・評価

スター誕生(1976年製作の映画)
3.0
スターを「常人離れ」状態へ落とし込むショウビズ界の万有引力を描こうとしている。エスターが常識人として描かれる前半、ノーマンは「スターは人間じゃない」と形容される。しかし、エスターがスターとなった後半、彼女は前半のノーマンのように「スター様は大変だ」と問題児扱いを受け、鎮静剤を薦められる。売れっ子スターを「常人離れ」させてしまう芸能界の構造を描きたかったと思われる。ただ、その面の演出は成功できていない。結果的には主演2人のスター性で乗り切るスター映画となっている。
悲しいのは、現役スターではなくなったノーマンは常人に戻るわけではなかったことだろう。入れ子構造ならば、エスターは常人からスターとなり、ノーマンはスターから常人となる。しかし一度スターになってしまうと「元の人間」に戻ることは難しい。
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