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ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューションのTのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

スターウォーズ4〜6と比較すると面白い。同じ「反逆軍vs.総裁」構図だが、本作からは正義が抜け落ちている。
カットニスはルークと同じく革命の天才であるなのだが、そこに纏わりつくのは広告戦略だ。殺戮リアリティショーだった1から続く広告戦略。そして正義の民主主義を掲げる反逆軍から失われる正当防衛、民間人非殺信念。これらはイラク戦争のスキャンダルを踏襲していると思われる。
ヘムズワーズ演じるゲイルは「初志を失っていく戦争参加者」である。しかしゲイルの成り行きは仕方がないのだろう。終戦には必要なものだった。カットニスもそれを認識していると思われる。そして彼女がゲイルと別離することも又仕方のないことだ。戦争に正義などない。英雄カットニスは一生悪夢に苛まれる。それが戦争だ。
カットニスが戦火に巻き込まれた発端は妹の命を救う為である。その妹は戦火に殺される。『ハンガーゲーム』のメッセージはこのようなものだろう。「戦争に正義はない」。だから妹は死ななければならない。しかし、世の中には…例え戦争の最中でも…「嘘ではない本当」がある。それは戦争での傷を癒しきらない。でも本当はあるのだ。そういう話なんだろう。
『スターウォーズ』はベトナム戦争後、国家信頼度が落ち暗雲となったアメリカに希望をもたらした。同じ革命軍の勝利を描く『ハンガーゲーム』は『スターウォーズ』と異なり正義が存在しない。これはアメリカ政府側の虚偽、民間人殺害疑惑、果ては広告戦略まで露見したイラク戦争の影響だろう。そして『ハンガーゲーム』サーガが終わった2015年末、『スターウォーズ』の新サーガが幕を開ける。
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