タマル

ブレイド2のタマルのレビュー・感想・評価

ブレイド2(2002年製作の映画)
1.2
ギレルモ・デルトロが監督した『ブレイドⅡ』がびっくりするほどクソだった件について。

まず最初の戦闘からして、フィールドが広すぎてアクションが小規模に見えるし、グラグラカメラ&異常なカット量でどこで何をやっているかわからない。
ウィスラーが生きていたことやヴァンパイアから人間に戻れる理由もビタ一納得できないし、ブレイドがヴァンパイアと手を組む理由「敵を知るには潜り込むことだ」みたいなのも最後まで活かされないし、一作目のヴァンパイアへの怒りが全く感じられないのは違和感しかない。
ヴァンパイアと手を組んで最初に潜入したクラブの描写もひどい。1作目のクラブ描写と比べて全く楽しくなさそう。あんなバカ明るい照明の客お通夜状態のクラブがあるわけがない。ここはエキストラへの演出が行き届いてない結果だろう。エキストラの手持ち無沙汰感が画面から伝わって来る。
ここでのアクションも、武器の違いによる個性はあったが、肝心の格闘自体に全く個性がなく、味方のヴァンパイア部隊への愛着が湧かない。部隊にドニー・イェン様がいて戦闘に個性が出せないのは、明らかに監督の力不足だろう。
リーパーズの造形は怪獣好きのデルトロ監督がやりたかっただけのやつである。中盤に入るリーパーズ解剖シーンは監督のフェティシズムむき出し。ストーリーには全く関係しない。しかし、私が観たいのは『ブレイド』で、その魅力は敵役の個性豊かなキャラクター性であるため、押し並べて怪物チックで個性のないゾンビどもには辟易する。もっと人間に興味を持ってほしい。デルトロの個性が本作では悪い方向に出てしまった。
もっとも酷かったのは終盤での脚本の大混乱である。ブレイドを殺したいのか、実験したいのか、恋愛したいのか、親子愛なのか、リーパーズの復讐なのか、世界制覇なのか、何が阻止したいことでどこに辿り着きたいのかが全くわからない。焦点が定まらない。キャラクターが分裂症にしか思えない。結局何がしたいのかわからぬまま、伏線回収したったでぇ!とでも言いたげな(実際は呆れるほどダサい)ラストで映画が終わっていった。

でもそんなことはどうでもいい。
この映画の一番クソなとこは脚本のずさんさでも、デルトロのフェティシズムでも演出不行き届きでもない。


イェン様をクソ適当にあっさりぶっ殺したことだよデルトロてめぇゴラァ!!! イェン様を使い捨てしやがってテメェタダじゃ済まさねぇぞタコ助!!!! 何様なんだテメェ思い上がってんじゃねぇぞボケが!!!!
夜道気をつけろやファキンシット!!!!

ただ、ラインハルトとのラストバトルシークエンスで雑魚相手にブレーンバスター掛けてたのは笑ったから、そこだけは評価してやらなくもない。
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