貝

にあんちゃんの貝のレビュー・感想・評価

にあんちゃん(1959年製作の映画)
3.5
戦後の復興を遂げた東京と廃れゆく地方の差が甚だしい。同じ国の同じ時代とは思えないレベル。在日コリアンだそうだけどそこに言及する描写はそれほどなく、もはや関係ない。この町には未来ない。

兄妹が離ればなれになっても知恵を搾ってどうにか生きていこうとする逞しさを悲劇にすることなく寧ろ力強く描いていた。現代ならあり得ないし、こんなどうしようもなさそうなことに対しても希望を持てるような空気感、エネルギーがこの時代にはあったのかなという気がする。声のトーンが明るすぎる。みんな元気だ。未来はきっとあったんだろうな。
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