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ハート・ロッカーのtagomagoのレビュー・感想・評価

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)
4.0
爆弾処理がメインの話ではあるが中盤の狙撃合戦がすごい。血でジャムる実包、敵の動きを先読みしての偏差射撃、乾いた空気の砂漠の中で射撃音だけが響く。顔にハエが止まっても払いのけることはせず、観測手はその手で標的を探し、狙撃手はスコープで標的を狙い続ける。このただひたすら待つというのがスナイパーらしくて良い。サンボーンがバレットM82A1で狙い続ける姿は堂に入っていて良かったです。あの距離で正確に狙撃できるのだから流石、アメリカ陸軍って感じです。何の脈絡なく人が死んでいくのでまさに戦場。

もちろん、いつ爆発するか分からない爆弾を向う見ずな性格のジェームズが処理していくのはハラハラしましたし、誰でも敵に見えてきていつ襲ってくるのか分からないという緊張感も絶え間なくあるので手に汗握りっぱなし。
ジェームズがあることがきっかけで自分を見失っていく展開もドラマとしてよく出来ていると思う。

この映画の解釈を巡っていろいろあるようですが面倒くせぇという印象。冒頭の「戦争は麻薬」から俺の生きる場所はここしかないにたどり着く結末。
居場所はいくつかあった方がいいよねというふんわりしたことしか思いませんでした。
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