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007 ロシアより愛をこめて/007 危機一発のsyuheiのレビュー・感想・評価

3.5
1964年のテレンス・ヤング監督作品。

本作で印象的なのはイスタンブールでの攻防で、特にMI6トルコ支部がソ連領事館と繋がっているアイデアは面白い。東ローマ帝国時代の真っ暗な地下貯水槽をボンドとケリムが船で移動するシーンは、暗闇に立ち並ぶ円柱の不気味さと相俟って忘れがたい。

エンドクレジットで"THE END"の後に"NOT QUITE THE END"と出て「ジェームズ・ボンドはイアン・フレミングの次作ゴールデンフィンガーで戻ってくるよ」と"予告"が入っているのも面白い。ただ、時代とはいえ、登場する女性たちが敵味方どちらも男に屈服する存在のように描かれているのはもうキツい。

初期の007というのは"男はかく遊ぶべし"の教科書みたいな役割を背負っていたのだと思う。それはドラマ『MADMAN』にも通じる、男であることの優位性が華やかさによって描かれるという60年代の価値観であり表現様式だった。

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