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キング・オブ・コメディのおにぎりのレビュー・感想・評価

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
3.7
憧れ、こだわり、思い込み、妄想、そしてまだストーカーと言う言葉が一般的ではない時代。イタくて怖い。怖くて腹が立つ。

自分の部屋で、憧れている芸能人になりきって番組を作っているパンプキンを見ていて、反射的に、YouTubeで自分の部屋から放送している動画と重なりました。部屋の外から親に声をかけられて現実に戻るところまでそっくり。

多かれ少なかれ、人は幼い時期には、憧れている人に自分を重ねてみたり、好きな人とデートしているところを想像したり、没頭して成り切ったりするものです。
しかし成長するにしたがって、現実を知り相手にも自分と同じように好き嫌いを判断する心がある事に気づきます。

今はキングオブラジオと言われている伊集院光氏も、かつては自分の部屋で架空のラジオ放送をしていたと言っていたのを聞いたことがあります。
将来成功するかどうかはある意味紙一重と言えるのかもしれない。しかし成功率は限りなく低いということ。

「ジョーカー」と似てると言われて観たけれど、作品の主幹と質が全然違うと思う。
これは自我が高じて狂ったやつ。
「ジョーカー」は、ただひたすらに生きようとして、社会の歪みに狂わされた人間の苦しみ。
似て非なるもの。
これはコメディではありません。
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