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キング・オブ・コメディのtyapiokaのレビュー・感想・評価

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
3.0
スコセッシ監督の作品に出てくるキャラクターが合わない。自意識の塊のような、お喋りで自信過剰な、そのくせ臆病なキャラクターがどうしても苦手だ。上から目線の台詞の数々、気持ち悪い動きに苛立つ。他のキャラクターも気持ち悪い。この絶妙に話が噛み合わない迷惑な奴の生々しさは凄い。妄想と現実の使い方はジョーカーにも引き継がれていた部分だが痛々しくて好きな演出でない。誘拐からのくだりは少し面白くなってきたし、自分の考えた部分より、誘拐ネタがウケているのは悲しくもあったし、バーの女に、ひいては皆から一夜限りでも認められたかったという想いも伝わってくる。しかし、正当な手順も努力もせずに成功だけを不当な方法で手に入れようとする主人公は、やはり苦手だ。ラストが妄想でなく現実なら、悪いことして目立ったもの勝ちみたいで嫌だ。
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