pika

現金に手を出すなのpikaのレビュー・感想・評価

現金に手を出すな(1954年製作の映画)
5.0
頭から最後まで大興奮しっぱなしの96分!最高!
ジャン・ギャバンが渋くてカッコよすぎて昇天ものだし、感情を煽らず終始ドライな質感であるのも素晴らしいし心の底から痺れ倒した大傑作!!

ここぞというポイントで繰り返される音楽がジャン・ギャバンの感情や思考を叙情的に表現していて魅力的で、主人公が隠居前の初老であるという面白さが凄まじく、培ってきた自信と能力に比例して湧き起こる穏やかさと安らぎへの渇望や疲労を滲み出すギャバンの存在感が半端なく最高!

淡々と日常動作をこなすシーンが大好物なので別宅でのシークエンスはご褒美ものだし、それだけでキャラクターの魅力を語り切ってしまう鮮やかな演出力も見事なもの!
中盤に唯一語られる主人公のモノローグの存在感たるや、物言わぬ魅力に満ち満ちていた主人公の内面をチラと覗かせることで、ブワーッとキャラクターの深みが広がってその後の展開にこの上なく生きてくる意図がハンパじゃない!

どれもこれもあれもそれも全秒無駄がなく生き生きと素晴らしい大傑作!最高!!
文句なしのベスト!
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