おとなのみほん

ルワンダの涙のおとなのみほんのレビュー・感想・評価

ルワンダの涙(2005年製作の映画)
2.5

俳優陣は悪く無いし、構成は普通。作品テーマにルワンダ虐殺を用いるのも凄く大事な事だと思う。
けれど、名作としていつまでも誰かが誰かに語り継いで欲しい作品は迷う事無く「ホテル・ルワンダ」。

この世で起こったことなのだろうかと目を疑う虐殺の映像は、ホテル・ルワンダも、ルワンダの涙も確りと描いて居るから両作品共に知識は与えてくれる。
ただルワンダの涙はそこからのメッセージ性が全く見えないし、主人公の人間性も行き当たりばったりでそんな性格なら、ここに先ず残らないだろうと思ってしまうし、虐殺をあんなに直視出来る程度胸のある男にはとても思えない。そんな風に所々突っかかり、一貫性の無いただの視点転換の材料のような使い方に首を傾げてしまう。また、手持ちカメラのようにドキュメンタリー調に見せるところと、ヒューマニズム溢れる映画のように撮る箇所の比率が下手で、見せ方が上手くない。遠回しな白人擁護映画なのではないかと思えてしまう程、雑な点がやや目立つ。
唯一、犬を撃つと言う兵とのやり取りは文句無しに良かった。

ホテル・ルワンダで金を払って女を頼んだカメラマンの方が余程人間らしく、理解も同情も出来る。