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イップ・マン 序章のdeenityのレビュー・感想・評価

イップ・マン 序章(2008年製作の映画)
4.5
これは久しぶりに血が騒ぐ作品ですね。『酔拳』とか好きな人は間違いなく好きでしょう。イップマンという人物は実在していて、かの有名なブルース・リーの師匠でもあったそうですね。詠春拳を広めた人でもあるようで、この手の作品で実話に基づいて作られた作品というのは珍しい気もします。

じゃあそのイップマンがどれだけすごいかというと、冒頭のエピソードだけでも十分伝わります。強さに驕らない所や他の師範にもプライドを傷つけないよう計らったり、家族を大切にしたり、偉大な人物だったことがわかります。もちろん、技術や実力は言わずもがな。明らかにヒール役の道場破りの男に周りの人がボコボコにされていく中、そんな男を手玉に取るように圧倒する様は文句なしに熱くなります。

本作の良さは事実に基づいているため、ストーリー展開が新鮮です。世界大戦時を描いているため、日本に屈している中国の関係性により、裕福に生活していた前半とは打って変わって生活が苦しくなります。
評価すべきは日本人の描き方ですね。完全に悪役扱いを受けるかと思いきや、大佐一人だけは違いました。日本人らしいというか、空手家としての武士道を心得ているような人柄には好感を持てますし、何よりそのような人物を登場させてくれた監督に拍手を送りたいほどです。
他の作品との差別化として、本作ならではの独自性のある部分だと思いますが、間違いなく大成功でしょう。このストーリーだけでもう素晴らしいの一言です。

そんな支配下の中でもイップ師匠はブレません。家族や仲間を思い、強い師匠であり続けます。十人組手のシーンはさすがに無理だろとか思いましたが、ボコボコでしたね。強さを言葉では表現できません。作品の興奮を伝えるにも語彙力が稚拙過ぎて足りません。だからこそ見て、熱くなって、エアーで真似とか一人でしちゃうくらい興奮してほしい作品です。
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