さすらいの用心棒

恋愛戯曲 〜私と恋におちてください。〜のさすらいの用心棒のレビュー・感想・評価

2.3
恋愛しないと書けない女流シナリオライター(深田恭子)と新米プロデューサー(椎名結平)のラブコメ戯曲を映画化。

原作者が監督をやると大抵は酷いものが出来上がるのだけれど、身構えていたほどにひどくはなかったというのが正直なところ。安っぽいコントみたいな演出には終始うんざりさせられたし、キャラクターが一貫していない甘さは見るに堪えないが。椎名結平のコメディリーフぶりはよかったけれど、深キョンの演技力のなさには愕然とする。美人なのにもう少し何とかならんのか。
ロマンスものの脚本家がスランプに陥り、それを恋愛で乗り切るという設定はすでにホールデンとオードリーが『パリで一緒に』でやっているけど、なぜか最後の一日で傑作を仕上げてしまうオチが共通している。推敲をする時間もないのにそんなホイホイと傑作が誕生するのか、という点で観客を説得できていないために両作品とも駄作になっている点でも、共通している。