第二次大戦からユーゴ内戦までのユーゴスラビアの歴史を寓話的に描いた170分の映画で、カンヌを受賞していいる。
第二次大戦でナチスが進軍してきて、共産党員のマルコは家族仲間を地下室に避難させる。戦争終結後もみんなを騙して武器を作らせ密売し私腹を肥やすマルコ。しかしひょんなことから地下室が崩壊する。そしてチトーも死に、地上ではユーゴ内戦が始まるというもの。
共産主義にずっと地下に閉じ込められるというわっかりやすいメタファーで、またユーゴ内戦が始まるとより分かりやすくなり、弟が兄を殺す酷い戦争とか言い出してもの凄い分かりやすいメタファーとなる。マルコが嘘の伝記で固めてどんどん出世していくのも分かりやすいし、色々な動物がいるのも多民族国家のユーゴスラビアというメタファーなんだろう。
絶対170分もいらないと思える。ヨーロッパのキャラコントみたいなキャラクターがワチャワチャやっていて170分だしキツい。『まぼろしの市街戦』でもやりたかったのか?正直監督にユーモアセンスがあるとはこの映画を観ただけでは思えなかった。キャラコントコメディは第2章の冷戦からどんどん減っていき、第3章の戦争(ユーゴ内戦)ではかなり影をひそめる。
ユーゴスラビアをだしにカンヌ獲っただけの映画と思うので私は全く好きではない。ユーゴスラビアの歴史を消費してるだけ。丁度いいタイミングで出してきてカンヌを獲った、賞を獲る傾向と対策が無意識的に上手かっただけとしか思わない。1995年にユーゴ内戦の映画出して来たらなんかしらの賞は獲るだろうねと思った。これ観るのに170分も使うなら、ユーゴスラビアのドキュメンタリーとかニュース映像を観た方がよかった。