三樹夫

1984の三樹夫のレビュー・感想・評価

1984(1984年製作の映画)
3.3
『1984年』の映画化で1984年に作られたイギリス映画。党が絶対的な権力を持ち、モニターを通じて常に監視されており、ビッグブラザーを崇拝する管理社会が舞台となっている。どこがモデルかは明らかではないが、共産国がモデルと分かる。主人公は真理省の役人で、新聞記事の改竄を行っているが、禁止されている日記をつけ、恋愛と性行為も行うが、逮捕され洗脳される。

共産国がモデルであり、映画の所々が共産圏的な風景でデザインであるが、資本主義国に全く『1984』的な所が無いかといえばそうではなく、日本も改竄が得意技だし、いくらやっつけただの捕虜にしただの完全に嘘つけというガバガバ数字のニュースも大本営発表と一緒。もうすぐ戦争は終わるとか言って全然終わんねぇじゃねえか。「戦争は平和、自由は隷従、無知は力」は何処の国にも当てはまる寒気のする標語だろう。
社員が居眠りとかしてないかパソコンのカメラを通して監視するプログラムがあるみたいな記事を読んだことあるが、もろ『1984』だなと思った。っていうかそんなことやる会社逆効果っていうか、そこに就職したいと思う人減るだろという。
ニュースでやたら勇ましいこと言う割には経済状況はフニャフニャで、みんなボロボロの家に住んでいるし配給も碌にない。戦争に勝ってるのか負けてるのか全く分からないが、勝っているけどあのヤバさという可能性もあるので、そこら辺がより怖い。

管理社会を敷いてくる権力者が全く見えないし感じられないというのが恐ろしく、権力者が見えないため欲も見えない。家族をも解体しようとしていることで、甘い汁を吸おうとかいう欲とか一切なく純粋にこの管理体制を敷いているかのように感じられる。日本もそうだけど、ゴミみたいな社長とか政治家とか権力者はやらた家父長制を敷いてこようとする奴がいるが、それは家父の所に自分を当てはめて逆らうことを許さん支配者たろうとするゲスい欲が簡単に透けて見えるのだが、そういう欲さえない、人間的なもの何もかもが一切排されていく社会なのでより恐ろしさを感じる。
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