ゴン吉

続・座頭市物語のゴン吉のレビュー・感想・評価

続・座頭市物語(1962年製作の映画)
4.0
盲目ながらも居合抜きの名人である渡世人の生き様を描いた「座頭市」の続編。
勝新太郎が主演、水谷八重子、万里昌代がヒロインを演じ、若山富三郎、中村豊、沢村宗之助らが共演。 

盲目の渡世人である座頭市(勝新太郎)は、関宿の本陣で黒田家殿様にマッサージをした帰り道で襲われるが、返り討ちにする。市は殿様が頭がおかしいことを知ってしまったため、口封じのために命を狙われたのだ。その後、飯屋で出会ったお節(水谷良重)の計らいで難を逃れた市は、1年前に不本意ながらも斬った平手造酒の墓参りのために笹川へ向かった。そこに黒田家から市の始末の依頼を受けたやくざ・関宿の勘兵衛(沢村宗之助)とお尋ね者の片腕の浪人・渚の与四郎(若山富三郎)が現れた。与四郎はかつての恋敵であり市の実兄でもあった…    

お馴染みの勝新太郎の代表作である盲目の渡世人・座頭市の活躍を描いた時代劇。
前作で不本意ながら斬った平手造酒への墓参りをベースにストーリーが進む。
前作でヒロインを演じた万里昌代が再出演しているが、二人の関係がほとんど描かれていないのが物足りない。
前作はヒューマンドラマを丁寧に描いていたのに対して、本作は殺陣などの活劇重視で作風がかなり異なる。座頭市の水中の素潜りシーンまであるのが本作の特徴。
本作のライバルの浪人は、かつての恋敵でもある実兄で、二人の微妙な関係がストーリーを盛り上げる。勝新太郎の実の兄である若山富三郎が作中でも兄役を演じており、兄弟対決が繰り広げられる。
クライマックスは座頭市と実兄の浪人の差しでの勝負で、結果はわかっていても微妙な関係故に、勝負の行方に目が離せない。
「これでてめえの手にかかって死んだのは二人だ てめえも死ね てめえも死ね てめえも死ね」 

2024.1 BS12で鑑賞
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