このレビューはネタバレを含みます
陸軍特攻隊の出撃地となった鹿児島知覧基地のそばで、軍指定食堂を営み、“特攻の母”と呼ばれた実在の女性、鳥濱トメが体験した回想を基にした話と祖国のために命を散らした若き特攻隊員の悲しい青春群像劇を描いた戦争映画で公開当時様々な物議を醸したとされる作品です。慕ってくれる特攻隊員たちを慈愛の心で見守ることしかできなかったトメ、お国のために死ぬことがおかしいと声に出して言った田端の婚約者良子や板東の弟秀次、特攻で生き残ってしまった中西や板東の苦悩に心が痛みました。靖国神社での待ち合わせの約束を信じて散っていった英霊たちが蛍となって現れる描写がとても切なかったです。技術面では復元された隼戦闘機や凄絶な特攻シーンの特撮も良く出来ていたと思います。