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女相続人の4423のレビュー・感想・評価

女相続人(1949年製作の映画)
5.0
単なる遺産絡みの愛憎劇かと思いきやラストの展開には唖然…。これは恐い!

内気だったキャサリンが「お前には小さい頃から何も取り柄がなかった」と父親から見放され、愛する男からも捨てられるとその性格や話し方までもが豹変。顔はかわいくないが、前半と後半で全く違う女性を演じたオリヴィア・デ・ハヴィランドが凄まじい!さらに階段の昇降や鏡を使った演出がキャサリンの二面性を上手く引き立てている。

モンティの役は遺産目当てにキャサリンを誑かす青年モリスの役で、お世辞にもいい役とは言い難いが、身のこなしと端麗な容姿が大変美しく撮られている点においては喜ばしいことこの上ないだろう。しかしラストで脂汗を流しながら懇願する姿は『陽のあたる場所』同様すごかった。

「彼はまた現れた。同じウソを並べながら。来るべきでない家に2度も訪れるとは。3度目は許さない」豹変する女ほど恐ろしいものはない。

ハヴィランドといえば『不意打ち』も面白かったなあ。そんな彼女がまだこの世に生きているというのもすごいことだ。御年99歳だそうで(ヒエ~)。
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