n0701

疑惑のn0701のネタバレレビュー・内容・結末

疑惑(1982年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

事の真相は男の無理心中に女が巻き込まれたということだった。

事件の前日、息子に宛てた手紙には自殺すること、一家に迷惑をかけたことが書かれていた。

話の発端は、いい年した酒屋の社長がクラブで知り合った女と結婚し、落ちぶれていくところから始まる。

女は高飛車で傲慢、金に汚く、ヒモもいる最低の人間だが、そんな女に自分から言い寄って行ったんだから救いがない。

女は男の親族が離婚を勧めたり、冷たくあしらうことを逆手に取り、多額の保険金をかける。

と、ここまでは事実だ。

だが、女を乗せた車が海へ飛び込み、心中した結果、女だけが助かったために女への疑惑が強まる。

何せこの女は過去に傷害はするわ店を潰すわ何度も新聞沙汰になる悪名高い女で、今回の事件だって物的証拠はないものの誰が見たって女が犯人に決まっていると思われるような内容だった。

女には弁護士がついたが早々に事件から手を引かれてしまう。しかし、国選弁護人として女の弁護士が弁護を引き受けることになる。

また、裁判を取り巻く一連の捜査を手掛ける刑事、新聞記者、男の親族が女の逮捕に向けて一丸となって協力し合う。

しかし、事の真相は自殺のため、追い詰めても追い詰めても女の自供、殺人の立証はできない。

この話は決してハッピーエンドではない。

女の弁護士は自分の本当の娘に会うことが出来なくなる。

弁護された容疑者の女は、明確な殺意はその時点ではなかったものの、本当に殺していた可能性を認める。さらに、弁護士に対し異常な憎まれ口を叩き、早々に富山の地を離れ東京へ去っていく。

弁護士は真実を暴き罪なき女を救ったが、女の罪は決して裁判では裁かれない悪意そのものだったのだ。
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