想像以上に面白かったです。
岩下志麻さんと桃井かおりさんの強い個性がぶつかり合いながらも絶妙なバランスに仕上がっていました。
法廷での桃井さんの演技は圧倒されます。
桃井さん演じる球磨子は我が強く度々ヒステリーを起こしますが、頭の回転の速さと何を考えているか分からない不気味さ、そして欲求に対してストレートな性格で実に奥深いキャラクターでした。
対して岩下さん演じる佐原弁護士は終始クールなポーカーフェイス。
超問題児な球磨子に振り回されながらも、自分を見失わずに信念を持って真実を探し続ける佐原弁護士の姿は美しく格好良かったです。ほとんど無表情なのに、時折見せる微笑みや怒りの表情も良かった。
正反対の二人で決して仲は良くないのに、裁判を経てお互いを認め合う関係になっていたのが面白かった。
男を誑かす球磨子と、キャリアウーマンとしてストイックな人生を送る佐原弁護士は互いに自分には無いものを見つけていたのかもしれません。
女性の強さを感じる映画でした。