彼女は恋多き女などではない。
男性としてはそう描いてその通り理解する方が気が楽だからそうであって欲しいんやな。
私にはそんな自身を割り切らなくては生きてゆけない境遇の女性に終始見えてどんよりした気分で眺めるしかなかった。
監督の川島雄三自体現在でもよくある“女の逞しさ“の範疇を超えることはないが、演じている若尾文子にはその虚しさ苦しさは意識してるしてないに関わらず芯の奥で感じていることは多いのではないか。
小えんという女が「戦災孤児」であるという設定に全て表れている、といえる。
以前、コロナ禍で困窮した若く可愛い女性が風俗に入ってくるから楽しみといった主旨の発言をしたお笑い芸人を思い出してしまい、途中気分が悪くなった。
若尾文子がは美しいのは言うまでもない。点数はその美しさに対して。