エイプリル

ラブ・アクチュアリーのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

最後の30分に全ての力を注ぎ込んだような映画でした。
様々なカップルのストーリーが断続的に語られて、最後の最後まで彼らが交わることはありません。群像劇的手法を用いた似たような雰囲気の映画にはニューイヤーズ・イブという映画がありますが、実際はかなり違います。
こちらの映画はそれぞれのカップルのストーリーが薄味で、誰が何をしていたのか整理しながら見ないと全員のことを覚えることは難しかったです。それなのにそれぞれのストーリーがほとんどクロスオーバーすることもなく進んでいくので、何のために群像劇にしたのか分からない出来でした。英国首相の話とドラム少年の話は良かったので、全てのストーリーがそのクオリティであればもっと良かったと思います。
ただ、最後30分の盛り上がりはかなりのものでしたので、途中で退屈に感じても最後まで見て欲しいと思いました。百貨店の宝石店員が空港であんなにカッコよく現れるとは思いませんでした。

ただ、物語が薄味であることに苦言を呈しはしましたが、この映画のテーマとしてはそれで良いという向きもあるかもしれません。
映画のラストシーンは数多くのカップルの映像が映されるのですが、「ラブアクチュアリー」というタイトルにもあるように、映画になるような劇的な事件が起きなくても愛の形はそこかしこにあるわけです。あえて劇的な物語ばかりにしなかったのはそういう狙いもあったのかもしれません。

クリスマスの雰囲気は非常に良く、じっくり見るよりもクリスマス前に作業をしながらこの映画を流しておく、という鑑賞方法が一番楽しめそうです。
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