ピロシキ

椿三十郎のピロシキのレビュー・感想・評価

椿三十郎(1962年製作の映画)
4.5
行ったり来たり騙したり騙されたりしながら進むややこしいストーリーに若干の戸惑いと興醒めはあれど、キャラ立ちの凄まじい名役者たちの競演がなんともすばらしい。時機も考えず「いざ出陣!」といきり立つお侍たち、それを「馬鹿者!」と一喝し、アイデアを巡らせて次々と難局を乗り越えるカリスマ一匹狼・椿三十郎、そのお隣で「乱暴ねぇ〜 あら、お花が綺麗」と調子外しまくりの女将さん&娘さん、そして絶妙なタイミングでひょっこり出ては引っ込む「押入れ侍」………やり取りを観ているだけでもむちゃくちゃ面白かった。

そして、若い侍たちの顔がどのシーンでもバッチリ9つ並んで映る、恐ろしく整ったショットの数々。緻密にフィックスされ、綿密にリハーサルされた、思わずスクショしたくなるような映像に、飽きることなく見惚れていた。そしたらいきなり、仲代達矢がプシューっとなって声出た。

しかしなんだろうな。やっぱ若大将が「ミフネパイセンッッ‼︎‼︎」ってなってる構図が、個人的にかなり胸熱なんだろうな、きっと。幸せだなァ。
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