松井の天井直撃ホームラン

ポネットの松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

ポネット(1996年製作の映画)
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☆☆☆★★

母親が運転する車で怪我をしたポネット。
父親は、ギブスに犬の絵を描いてポネットの寂しさを紛らわしてあげようとする。

「バカなママのせいだ!」と言う父親に対して、激怒するポネット。
「魔法の鏡で飛んだのよ!」
「イエスさまのお空へ上るの」…と。

母親の【死】をなかなか受け入れられずに悩むポネット。
やがて(寄宿学校?)に入るものの。その悩みは、従兄弟を含め、他の子供達にもなかなか伝わらない。
何かと大人は機嫌を取る為?か「ママは見てるのよ」「ここに居るのよ」と言う。その言葉がポネットの心を、どんどんと自分の殻の中へと閉じこめてしまう。

「ウソをついてはいけないのよ」…と。


皆んながイエスさまはユダヤ人だから、アダとゆうユダヤ人の女の子に聞けば?と言われ、アダからイエスさまに関する多くの事を教えてもらう。

とにかく、主役のポネットは勿論。出てくる全ての子供達の自然な演技には眼を奪われる。
自然な反応・ませた発言をする子・急に怒ったり笑い始めたり…と。子供達の演技を観ているだけで満足できる。

…のだが、、、

どう考えてもこの監督の演出には、全くと言っていいほどにセンスを感じない。

映画全編での、子供達の顔のアップを中心としたカメラアングルの代わり映えのなさに、段々と退屈さをどうしても感じて来てしまった。
勿論、それには。ショットの始めと終わりで、子供達の感情が徐々に高まって行く瞬間を、切り取ろうとしているのだろう?とは思うのだけれど…

何となくだけれど。一部の著名人から、何が何でもこの監督を持ち上げよう(あくまでも当社比)との雰囲気があるのを感じなくはないって辺りに。ちょっとだけ反発してしまう自分が居るのは認めつつ…

でも肝心要のクライマックスを見ても、センスがある監督だったなら。ほんの少しでも、画面に霧を出すなどの幻想性を持たした方が…って思うもの。
「そんな事をしないからいいんだよ!」って言われたなら、「ああそうですか」と言うしかないですけど。

でもねえ、一部で熱狂的に受け入れられた『ラブバトル』は、どう考えてみても超絶クソ映画だったし。『ロダン カミーユと永遠のアトリエ』も凡庸な作品(『ラブバトル』よりは数段まし)だった。

まあ、どうでもいいんですけど。

BS松竹東急での放送を録画し視聴