似太郎

タバコ・ロードの似太郎のレビュー・感想・評価

タバコ・ロード(1941年製作の映画)
4.3
アースキン・コールドウェル原作の農民バカ一代記。澄んだモノクロ映像の中、プップカと車を運転するバカ親父(ダナ・アンドリュース)の強欲且つ教権主義者的な立ち位置が見ものでもある作品。

最終的にキリスト教の偽悪性に言及してる辺りはブニュエルの作風にも近い。脚本を書いたナナリー・ジョンソンのクセが良くも悪くも発揮された貧困一家の涙ぐましい一代記、といった趣きの映画。

欲と執念によって支えられた人間たちの練りなすシニカルな群像劇で、アンソニー・マン監督の『真昼の欲情』とセットで観るのがオススメ。泣くか、笑うか、それは貴方次第である。
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