Meg77

ゆきゆきて、神軍のMeg77のレビュー・感想・評価

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)
3.5
凄みのあるドキュメンタリー映画。カルト的人気があるのも分かる。

途中まで何が主題なのか分からず観ていたが、徐々に見えてくる戦中での衝撃の出来事に心底ぞっとした。冷静な口調でカニバリズムについて語る上官が本当に怖かった。
私は奥崎のように、上官達の戦中の行動を責められない。彼らは彼らで生きるのに必死で、滅茶苦茶で、想像を絶する状況だったのだろうと思う。いや、本当に私には想像する事すらできない。

戦後、上官達が過去から目を背けて静かに暮らしている中に奥崎は入っていく。彼の正義はこの「ドキュメンタリーのカメラ」が自分に向いている事で、さらに暴走したのだと思う。アンチヒーローのように、自分の信念に従う彼の姿は時に滑稽ですらあった。


彼自身がああいう人間なのは、生得的なものなのか、それとも戦争が彼をそう変えたのか。


一回見ただけでは会話も聞き取りにくく、内容もよく分からない。が、もう一度観るのは勇気がいるし、多分もう二度と観ない。

でも学生の内に観てよかった作品の1つになりました。
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