クリーム

デビルズ・バックボーンのクリームのレビュー・感想・評価

デビルズ・バックボーン(2001年製作の映画)
3.9
ずっと観たかった作品。やっと出会えました。やっぱり、ギレルモ·デル·トロ監督作品は好き。この時、既に胎児がお酒に浸かってる瓶を発見。これがホルマリン浸けになり、エノクに発展して行く。また、「パンズ·ラビリンス」に繋がって行くのだと思う。内容も良かったし、観れて良かったです。幽霊出るけど、怖くはありません。

1930年代·内戦下のスペイン。戦争孤児達を預かっているサンタ·ルチア孤児院。12歳のカルロスは、父が亡くなり連れて来られました。孤児院には義足の女院長カルメン、デビルズ·バックボーンと呼ばれる胎児入りのラム酒漬けを飲んでいる医師のカサレス、イケメンだが悪そうなハシント等が子供らの面倒を見ていた。カルロスのここでの生活が始まります。



ネタバレ↓



カルロスのベッドは、過去に行方不明になったサンティという少年が使っていたものでした。カルロスは、その晩から幻聴と幽霊に悩まされ始めます。やがてサンティの霊が自分に何かを訴えようとしている事に気付き、彼の死の原因を探ります。
サンティは、ハシントに殺され貯水槽の中に沈められた。ハシントは恋人コンチータと農場を持つ夢があり、カルメンが隠し持っている地金を狙っていました。
情勢が悪化し、カサレスは孤児院の皆を連れて逃げる準備をし始めます。
ハシントが現れ、出て行くなら地金を置いて行けと迫ります。が、カルメンに杖で顔面を殴られ、追い出されます。
皆が支度する中、ハシントは厨房にガソリンを撒きます。ライフルを構え説得するコンチータに肩を撃たれ、逆上して火を放つと大爆発。生き残ったカサレスと子供達で、ハシントに立ち向かいます。カルロスは、サンティの幽霊にハシントを連れて来るように言われ、コンチータは、助けを呼びに出て行きました。しかし、ハシントと出くわし殺されました。
ハシントと仲間は地金を探しに来ましたが、出て来ないので仲間は彼を置き去りに出て行きました。
カサレスも亡くなっていました。
残された子供達は、木で作った槍を持ちハシントを貯水槽に誘きだし、まずは脇をひと突き、そして、次々と子供達が槍で刺し、ハシントを水槽に落とします。落ちたハシントは焦って地金を捨てますが、サンティの幽霊が抱きつき水底へと引き込んで行きました。
残った彼等は、孤児院を後に歩き始めるのでした。

胎児のラム酒漬けや校庭に突き刺さる不発弾等インパクト大ですが、 幽霊は悲しげで無力。怖い存在ではありませんでした。大人達の不在に力を合わせ戦う子供達が一回り大きくなって歩いて行く姿に少しだけ希望が見えました。
ハシントは目的の為、恩人、恋人、子供もお構い無しに平然と殺して行きますが、それも内戦で家族を失い、愛のない少年時代を過ごしたせいであり、彼も戦争の犠牲者。ですが、かなり容赦なく、綺麗事にしない作風がやはり好きです。大満足でした。
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