ゴリアテの憂鬱

恋する惑星のゴリアテの憂鬱のレビュー・感想・評価

恋する惑星(1994年製作の映画)
4.1
ウォン・カーウァイは過去に何作か観て、自分にはちょっと肌が合わないのかなと思っていましたが、徐々に馴染んできた感じがする…というか、むしろその世界観に少しハマりそうです。

個人的に90年代の空気感というのは、どの国のものであっても魅力的に感じます。
自分の青春時代と被るからというのも大きいと思います。

脱ぎ捨てたヒールから見えるタグをギリギリ〝マロノ・ブラニク〟のものだと分からせるような見せ方をしているところが、とてもヤラシイです。
ブランド名丸出しはSNS全盛の今の時代も鬼ダサいのは変わらないですが、それでも「靴のロールス・ロイス使ってるんだぞ」ということを少しでも多くの人に気づいてほしいという欲が見え隠れします。
僕はそういう一風捻くれた自己顕示欲を持ってる人が好きです。

自分がもし監督なら、ヒールのシーンでどれだけロゴを認識させられる範囲で最小限に見せられるかということだけに、(例えスタッフが2時間くらい前から理解不能な顔と態度を出している四面楚歌の現場であろうが)キューブリック並(シャイニング撮影時)に執拗に撮り続けてたと思います。

他にも魅力的で素晴らしいショットがキラ星の如く出てきました。