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愛の予感のKのレビュー・感想・評価

愛の予感(2007年製作の映画)
3.9
「むしろ親は被害者ですよ」。東京から北海道へ。労働、入浴、食事、読書。淡々とした日常の動作。繰り返しの中に訪れる変化。現実的ではないのに、身近だと錯覚してしまう世界観。そして二人の距離感にドラマ性を感じずにはいられない。コンビニ。プリペイド携帯。サンドイッチ。おかず。“逡巡”というワードが似合う。卵かけご飯が美味しそう。「顔も見たくないです」。面と向かうまで。その瞬間に立ち会った感覚。正面ショットと目が合ったときのどきっと感。サイレント映画のようで、挑戦的とも感じる作風。今までに観てきたどの映画とも違う。世の中にはこんな映画もあるのかと知ることができた。ながら見不可。映像で語り、引き込み、参加させる。キネマ旬報11位。
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