ucandoit

人生、ここにあり!のucandoitのレビュー・感想・評価

人生、ここにあり!(2008年製作の映画)
5.0
Si puo fare (やればできる)
2008年イタリア映画。
コミカルな社会派ヒューマンコメディ。
難しい問題をきちんと正面から取り上げ、しかも説明的でない。好みの良質な低予算映画でした。

1880年代イタリア。
精神病患者の隔離政策を改めて彼らを社会に戻すという(事らしい)バザーリア法のもと、患者たちは地域の医療センター(名目上は患者の組合)がケアしていた。
とても先進的な取り組みです。
実話に基づく話らしい。
しかし実態は強い薬でコントロールされ廃人同様な患者が多かった。
理想主義者で熱血漢ネッロは疎まれ左遷。そんな施設に職を得る。徹底的な楽観主義者で社会主義の彼は患者一人一人に役割を与え自立への道を歩ませようとする。
仕事をせず無愛想な男は理事長にしちゃうって風刺かと思ったら彼、なかなかハマりました。
サヴァンの人が得意そうな芸術的な嵌め込み細工、これが当たって万事順調。アール・ブリュットですね。
投薬を半分にして人間性が戻ります。バスを仕立てて皆で悪所に行くジーンが良かったです。障害者の性も大事な問題。
しかし落とし穴も。
出演者のキャラが(健常者も障害者も)それぞれキラキラと表現されています。
ネッロを支える恋人サラが最高に優しくて美しい。
ucandoit

ucandoit