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忘れられた人々のScriabinのレビュー・感想・評価

忘れられた人々(1950年製作の映画)
3.9
ブニュエルはネオレアリスモ嫌ってたみたいだけど、この映画はすごいネオレアリスモ感あった。まず冒頭のドラマティックな音楽が『若者のすべて』に見えてしまったし、建築途中の高層ビルや空っぽな道路とかはアントニオーニとかの任意空間みがあった。ペドロの母が前景に映されるショットは『夏の嵐』のリディアのショットに似てた。
ただ、夜のスラムのシーンはセット感丸出しでちょっと『カリガリ博士』に見えたし、主人公の少年が徹底的に痛めつけられる悲惨さは『ドイツ零年』や『クーリンチェ』も思い出させてメロドラマ感があった。そしてお得意技の夢のシーン!死ぬ間際のシーンとか、主観的な「体験」を視覚化するのがとてもうまい。
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