他の作品とはまた一味違っていて、これもまたウディ・アレンの隠れた名作かもしれない。
舞台は第二次世界大戦が勃発したばかりのロッカウェイですが、ほっこりした優しい気持ちにさせられます。
ファンタジックな生き方に惹かれているとある一家をラジオを軸にしてユニークにスケッチしてゆく本作。
(ウディの幼少時代のリアルな経験も結構重ねてそう。)
素晴らしい音楽に乗せて、エピソードを繋いでいく本作にはメインとするストーリーは特にない。
それでも、オープニングの泥棒エピソードからめちゃくちゃ秀逸でクスッと笑って幸せな気持ちにさせられるんです。
そこからは小気味いいリズム感のエピソードが目白押し。
この頃のアメリカ人にとってきっとラジオが全てで、その流れる声と音楽とドラマが直接彼らの生活に深く影響していったのがとても分かる丁寧な作り。
私も最近はなかなか聞く機会少なくなりましたが昔からラジオが大好きで、新しい音楽は全てラジオで学んだ。
そんな幼い時代を回想しながらラジオに魅せられたこの作品の登場人物と同化して、どっぷり余韻残るノスタルジーに浸れました。