RyoIkeda

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリーのRyoIkedaのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

私たちは何のために、何を求めて仕事をするのか。学ぶこと、働くことの本質について考えさせられる。

権威主義に溺れたアメリカの医療体制に対して、型破りなパッチが「ユーモア」と対話を通して患者の心を開いていく。
権威や伝統に負けず、信念を貫くパッチの姿に見るものは鼓舞され、勇気を得るだろう。

しかし、この話のキーとして一つ蔑ろにできない点がある。
それは、パッチが型破りであったにも関わらず常に大学病院でトップクラスの成績を残し続けたということ。「成績優秀」「トップクラス」という文句が、頻繁にではないにせよ、一定の間隔で繰り返されている。
実績・能力という視点を外して見ると、この作品はある意味危険な代物だ。

そして個人的な意見だが、カリンの死がもったいない。なぜ、彼女の死が描かれなければならなかったのかということを伝えきれておらず、無理やりな美談のようになってしまっている。事実に基づいた作品だからなのかも知れないが、出来事を全て「見せること」と「伝える・訴えること」は別問題。
RyoIkeda

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