デニロ

キングコング対ゴジラのデニロのレビュー・感想・評価

キングコング対ゴジラ(1962年製作の映画)
3.5
小学校の夏休みに観た作品。え、55年前なのか。公開当時地元で観て、母の田舎で観てと二度も観てしまった子供の頃の最高傑作。伴映作品が違っていた記憶がある。最近の事は忘れているが、子供の頃はよく覚えているのです。

日劇が閉館になるという事で記念上映されていたので出かける。満員御礼だが、何故か席は空いていた。

おしゃれな女の子がたくさん出てきて東宝作品だなと思うし、今では使うことが憚られる蔑称で表現されるファロ島の住民役で変な格好をさせられた根岸明美も、目がくっきり、くちびる大きめの東宝スタイル。子供の頃はどぎつくて生理的な嫌悪感を抱いてしまった若林映子が、いまとなって観ていると、とても魅力的でしかも可愛いではないか。007にナンパされるのも当然か。尤も、本作での彼女の人間関係は全く不明なんだけれど。ただ主人公たちと同じアパートに住んでいる、というだけなんだろうか。まあよい。浜美枝、若林映子、根岸明美の化粧の統一感も東宝映画30周年記念にふさわしい。

肝心のキングコングとゴジラの戦いは意味不明で、キングコングにとっては迷惑この上ない人間の作為と、今のわたしは思いを馳せる。でもそれを別にすれば戦闘シーンを覚えている。きっと興奮をよそに記憶に刻んでいたんだろうな。

そして、何故かあのしょぼい熱海城をぶち壊すというラストシーンの、その政治的背景は不明だが、キングコングが南洋の島に泳いで帰るシーンは子供のわたしも、今のわたしもうれしいのでした。
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