ごまだんご

アレックスのごまだんごのレビュー・感想・評価

アレックス(2002年製作の映画)
4.6
ギャスパー・ノエ監督は僕らの心だけでなく視力と平衡感覚までを直接破壊してくる。悪魔のようだ。
光に過敏な人、酔いやすい人は鑑賞注意。あと、体調が優れない人は鑑賞禁止。
独創的な物語展開で魅せる、残酷ながらも悲しみに溢れた復讐劇。描いているテーマは在り来りなのだけれど、その描写方法が面白い。そして過激すぎる。残虐シーンはご丁寧にノーカットで全てを見せてくれる。普通、映さないような部位も平気で画面に映してくる。良い意味で全く映画的ではない。実際にあった事件を撮影したビデオテープを見ているよう。
本作は物語の時系列がグチャグチャになっている“メメント”のような方式。だからこそ、ラストで主人公に発覚する、ある“事実”を知った時には吐き気がした。これは本作だから味わえる最悪な感覚だろう。
間違いなく、軽い気持ちで見てはいけない映画。しかし、少しでも気になるならば絶対に見て欲しい。こんな映画は二度と産まれないと思うから。というか産まれるな。
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