デニロ

旅役者のデニロのレビュー・感想・評価

旅役者(1940年製作の映画)
3.5
藤原釜足、柳谷寛の馬の脚が主演。中村菊五郎の高勢実乗が黙っていても笑わせてくれる。

1940年製作公開。原作宇井無愁 。成瀬巳喜男脚色監督作品。まだのんびりとした信州の風景。でも徴用される馬を出したり、国債を買いましょうなんて言う張り紙があったり、これからの先が思いやられる。

旅の歌舞伎中村菊五郎一座がやってくる。その一行に馬の脚を演じる藤原釜足、柳谷寛がいる。釜足はその役に誇りを持っていて、研究熱心。ある日、ひょんなことから彼らの代わりに曲馬団の本物の馬が舞台に上がることになる。てやんでぃ面白くもねぇ、とばかりに不貞腐れているところに小粋な年増盛り清川虹子がやって来て、あらあんたたちが出るって聞いてたから早く上がったのにどうしたのようと詰られる。ええい、それじゃぁ見せてやらぁぃ。

ラストの馬と馬の脚の駆けっこを観ながら、馬の脚というのも芸だなあ凄いなあと感心する。これを写したかったんじゃなかろうか。
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