教祖ちゃん

処刑軍団ザップの教祖ちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

処刑軍団ザップ(1970年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

70年代という事でかなり時代を感じるショッキングホラー。それでも人体切断や破壊シーンは力が入ってる。それにネズミ、ヤギ、ニワトリの死骸は本物だろうなという印象。感染者の迫真の演技など見るべきポイントは多い。そしてそれ以上に愛すべきツッコミどころの部分を評価したい。
まず処刑軍団ザップという邦題だけれど全く関係ない内容、という部分がまずすごく美味しい。
前半は元凶を作ったピート少年から目が離せない。ヒッピーお姉さんの誘惑に惑わされず大人相手に立ち向かう勇敢さ。そしてヒッピーたち大人気なさすぎ。そりゃ狂犬病ミートパイ食わされてもしょうがないと思えるレベル。
中盤は黒人ローロの顔芸。あの表情で走り回り水には怯えるというところがなんか可愛くてみてしまう。感染者もそんな感じで恐怖より愛らしさが勝つ。途中で作業員が走りながらヘルメット落として拾いにいってるし素晴らしい。あとローロのシーンの毎回流れる独特なBGM。ホラーよりもシュールさが際立つ。
極め付けはアンディの首を何度も見せつけようとする感染者作業員。ことあるごとに見せびらかしてくる。挙げ句の果てにはボンネットに乗ったローロを引きずり下ろしてまでミルドレッドたちにアンディの首を見せつける様は面白すぎてビールがめちゃくちゃ進んだ。
もちろんこのシーンは後世に多くの影響を与えてるし、そもそもこの映画自体がゾンビ映画が生み出されるきっかけのひとつになった歴史的名作であることは間違いない。それでも全てが恐ろしいという映画ではなく、随所に色々な面白さがあるのが愛される名作たる所以だと感じた。
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