なつこ

ライフ・イズ・ビューティフルのなつこのレビュー・感想・評価

3.9
アカデミー賞で思い出し、ものすごく久しぶりに鑑賞。

最後までユーモアを忘れずに生きる。
言うのは簡単だけど、そうそう出来ることじゃない。
ましてや何の希望も見えない状況で、愛する者を不安にさせない為とはいえ、常に笑顔でいようとするグイドには、胸がいっぱいになる。
前半は彼が喋りっぱなしで、ちょっと観ていて疲れるんですけど、それが後半に効いてくる。

正直、収容所であんな自由に動き回って、メッセージを送って、大声で喋り続けてる様子は、全くリアリティがない。でもこの作品において、そんなことは重要じゃなくて。
グイドは持てる精神力のすべてを、愛する妻と息子を守る為に費やした。
妻は励まされ、息子は収容所がどんな場所なのか知らないまま日々を過ごした。
それがグイドのできる精一杯の「守る」ということ。

遠くから戦車が現れる、ある意味「嘘が本当になった瞬間」。
あの時、ああグイドは愛する者を最後まで守りきったんだ…と、涙が溢れます。
なつこ

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