クリーム

あの夏、いちばん静かな海。のクリームのレビュー・感想・評価

4.1
何も情報無しで観たので、予想を裏切られ、心を揺さぶられた。
こんなに波の音や音楽が心地良い作品は、観た事がない。なんと言うセンスだろう。静かな北野武作品は、とても素敵だった。北野映画3本目にして、ハマった!これは、良い!!!
主演のカップルは、2人とも聾唖者で、殆ど話しません。それでも通じる画力の凄さ。ホント良かったです。最後に入るタイトルに痺れました。

茂は、ゴミ収集車の清掃員をしていて、ある日、サーフボードを拾います。 それは先端が欠けていたので、直して、恋人の貴子と海で、サーフィンをやってみます。当然、難しい。しかし、諦めず練習を続けると先端が壊れてしまった。
茂はサーフボードを買いに行くが、高くて買えず、給料日に12万円のボードを買った。 それ以来、休みには練習。彼女の貴子もずっと付き合います。ある寒い日、ボードを買ったshopのオーナーが中古のウェットスーツをくれた。千葉でサーフィンの大会がある事も教えてくれるのですが…。



ネタバレ↓



茂は、大会にエントリーしますが、開始の放送等が聞こえず、失格となってしまいます。shopのオーナーは、地元の青年達にちゃんと教えてやれと叱ります。失格し、海を眺めていた2人を車で送ったオーナーは、そこから気にかけてくれ、技術も教えてくました。
しかしのめり込みすぎて仕事をしなくなった茂。会社の先輩に怒られ、 先輩の有り難みを感じ、それから仕事もちゃんとする様になりました。
2度目のサーフィンの大会で、貴子もオーナーも来てくれ、茂は6位入賞した。 その後も茂は練習に明け暮れます。しかし雨の日、いつものように練習に行った茂を追った貴子はサーフボードだけ砂浜に打ち上げられている事に気づいたが、茂はいない。
貴子は大会で入賞した時の写真をボードに貼って、大会のあった場所でボードを流す。そして、タイトルがバン!と出て、波の音が続く。

悲しい結末だけどラストが、素敵過ぎる。ずっと波の音を聴いていたくなった。こんなに繊細な映画だったとは、想像もしていなかったです。映像も音楽も素敵で心地良い。悲しいラストでさえも何処か前向きに思えてくる。良い映画でした。
※寺島進さんの使い方には、笑った。ガッツリ交通違反を全力で見逃せ!とお巡りさんと真っ向勝負。鼻血が可愛かった。

*針さん、ありがとう☆
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