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音符と昆布のBaadのレビュー・感想・評価

音符と昆布(2007年製作の映画)
4.0
75分という短さですが、登場人物同士の距離感や関係性の描き方が絶妙で見た後の余韻が心地よい作品でした。

途中に2度挿入されるフラッシュバックのような回想シーンの部分の唐突さ、前半でのかりんの言動が誇張気味であること、パニックを起こして倒れるシーンが唐突であった事等が少し気になりましたが、関係性や距離感の描き方の絶妙さ、障碍を描く上でのフィクションと事実の取り入れ方のバランスの良さがそれを十二分にカバーしていました。

とくに妹のももの人物造形は最高。キャスティングも良かったのか、重い演技のかりん役の池脇さんとの対比で、妹もも役の市川さん、父親役の宇崎竜童さん、ももの彼氏役の石川さんの自然体の演技の軽やかさがくっきりと印象的でした。

もっと多くの人が見てもよい映画だと思うので☆一つおまけ。

付記:立命館大学の公開講座の一企画として、井上監督との対談付きの上映を見ました。

同じシリーズの企画で以前に上映があった『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』とは、障碍の扱いも比較しようがない程丁寧で、好感を持ちました。

口コミでの評判が高い作品らしく、映画の日で隣にシネコンが在るにもかかわらず、満席に近い入りでした。

(絶妙な距離感 2012/12/1記)
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