明石です

機械じかけの小児病棟の明石ですのレビュー・感想・評価

機械じかけの小児病棟(2005年製作の映画)
3.6
「エレベーター、2階には止まらないのですか?」
「ここの2階は1959年以来、封鎖されてるの」

骨組織が破壊される難病を患い死んでいった女の子の霊が、小児病棟の子供たちに自分と同じ苦しみを与えるお話。ジャウマ・バラゲロ監督のスペイン産ホラーということで一定の怖さは確保されてることを予想し視聴。主演は昔懐かしのTVドラマ『アリー my love』のキャリスタ・フロックハート。パワー系幽霊の力こそパワーな超常現象に言葉を失う。良くも悪くも!!

シンプルなアイデアだけに一見よくできた病院ホラーに見せつつも、中盤以降には、実はナースが子供の骨を折っていたという人怖要素による畳み掛けが用意され、そんな丁寧な種明かしの後には、メインディッシュ!と言わんばかりの伽耶子ばりに顔の怖い女幽霊がお目見えし、そしてまさかまさかの感動ラストに向かっていく。シンプルなテーマながら随所に飽きさせない工夫が凝らされていて、さすがは『REC』の監督の作品だなと思った。怖いかどうかは棚上げだけどね。

それから作中で何気なく採用されてる、死期の迫った人にだけ幽霊が見えるって設定、凝ってて良いなあ。それも『THE EYE』で採用されてたみたいな、登場人物に死期を悟らせる仕掛けとしてだけではなく、ラストの感動シーンに欠かせない要素になってるのが凄く良い。素直に感動してしまったよ、、物語が素敵なのと、そこに繋がってたのか!というカタルシスで。パワーだけじゃない丁寧なシナリオも本作の魅力ですね。
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