もとまち

世界大戦争のもとまちのレビュー・感想・評価

世界大戦争(1961年製作の映画)
3.8
いたって実直に作られた反戦映画。第三次世界大戦が勃発するのはラスト数十分で、それまでは東西の激化していく対立関係と、主人公たちの平和な暮らしが並行して描かれる。穏やかな日常の背後にジワジワと忍び寄る戦争の影。着実に進行する核爆弾投下へのカウントダウン。フランキー堺や宝田明の織りなすホームドラマが微笑ましいだけに、結末のやるせなさが募るばかり。最後の晩餐シーンの痛々しさは見ていられなかった。何も知らず無邪気な笑顔でご飯を頬張る子供たちの傷ましさ。円谷特撮炸裂のカタストロフィは言うまでもなく凄まじい。一瞬でマグマ溢れる地獄絵図と化す東京の町。テクニカラーの真っ赤な入道雲のアニメーションが怖すぎる。
もとまち

もとまち