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リリア 4-everのbennoのレビュー・感想・評価

リリア 4-ever(2002年製作の映画)
4.0
あまりにも救いがない…ს
そして酷い大人たちばかりს

内容がショッキングな為、各国では上映禁止となった作品ს

今作は2002年の作品ですが…今尚、全米ではHIPHOP界を揺るがす大事件!! P Diddy の性的人身売買…セレブたちがどんどん捕まりそうს もしかしたらビヨンセ&Jay-Z夫妻の逮捕も〰︎ꙨꙻꙨꙻ✧…20年経っても何も改善されず被害に遭うのは子供たち꜆꜄꜆




吹き溜まりのような荒んだ風景…ソ連崩壊後、経済的に取り残され失業や困窮の厳しい現実が見える劣悪な街が舞台

母とその恋人と3人でアメリカ移住することになっている16歳のリリア


      この街から抜け出せる…


彼女はその日を心待ちにしていました

ところが出発当日…母と恋人はリリアひとりを残して去って行きます…えっ??

母に泣き縋るものの、あまりにも冷めた母の態度…しかし観ていくうちに、これは特異なことではなく当時の状況下ではこのような子供たちが多く存在したことが容易に想像出来ます…

今まで住んでいたアパートはお前には大き過ぎると、そこにちゃっかり住みつく叔母…リリアには小さなボロいアパートを宛行います

昼間から不良仲間とつるんでお酒、タバコ、シンナーと荒んだ生活…ただ同じ境遇にある年下のヴォロージャは弟のように可愛がりリリア自身も心を開ける唯一の存在

しかしお金も底を突き、叔母に頼るも仕事(売春)をしろと突き放されます…おまけに母親からの親権放棄の知らせ…ヴォロージャは一瞬の安らぎを与えてくれても救いにはならない…誰かひとりでも頼れる大人が側にいれば…と只々胸が苦しく気持ちが沈みます

そんな時、リリアの前に現れたひとりの青年アンドレイ…暗闇から抜け出し、リリアのクシュっとした笑顔がとても眩しくて青春の煌めきを感じ、漸くふっと胸を撫で下ろします

隣人が落としたジャガイモを優しく拾うリリアの姿に自然と涙が溢れます

スウェーデンで一緒に暮らそう…その言葉に目を輝かせるリリア…ただヴォロージャは…??

そして彼女を待ち受けていた現実とは…??



1ミリの救いもない作品なので興味のある方は心してご覧になって下さい

ただ性被害、人身売買を扱っていますが…露骨なベットシーンなどは一切なく当然ヌードもありません…カメラはリリアの主観ショットを多用…従って中年の醜いオッサンの顔のアップばかりで気持ち悪くなります⚠︎キケン!! …ただこの嫌悪感を齎せる上手い撮り方だな〰︎と感心ს

旧ソ連の病んでいる部分…いつの世も弱く貧しい者が搾取されてしまう…そして行き着く先が《福祉国家》のスウェーデンである事にも目を逸らしてはならない現実が描かれています

リリアが大切にしていた天使の絵🪽…悲惨な状況の中で必死に未来を求めた彼女そのもの…寓話性を持たせたラスト…ヴォロージャの存在が余計に切ない…

そんな中、OPとEDのRammstein 《mein herz brennt》はめちゃカッコいい🐿️♪

ラストのテロップはP Diddyに捧げたいです💢👊
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