天豆てんまめ

ある愛の詩の天豆てんまめのレビュー・感想・評価

ある愛の詩(1970年製作の映画)
3.7
ストレートな純愛物語と立場違いの恋といえば「ロミオとジュリエット」だけど、70年代のこの作品も忘れ難い。アカデミー賞に7部門ノミネートされたが、特にアカデミー作曲賞を受賞したフランシス・レイの名曲が心に沁みる悲恋物語。

医者から、妻のアリ・マッグローの死期が迫っていると聞かされ、沈んだ面持ちのライアン・オニールは若き弁護士。その彼女との出会いから活き活きと描かれる構成。良家のお坊ちゃんの彼と、イタリア移民で歯に衣着せぬ物言いの彼女。不釣り合いながらも恋に落ちた2人はだが、父親に反対され勘当されながらも彼女と結婚する。

その後、学費や生活費のために彼女も働き、彼も初めて経験する貧しい生活ながらも幸福に暮らし始め、ようやく彼が法律事務所で働くこともきまった矢先に、、彼は彼女に死期のことを伝えないものの、彼女は気づいていて、、、

悲しくも美しいシンプルな純愛物語の傑作で、陰のあるライアン・オニールと活力に溢れたアリ・マッグローの魅力でずっと2人を観たくなる。「愛とは決して後悔しないこと」という名文句を生み出したこの作品は、その言葉を見事に表現していて、深い余韻を残してくれる。