このレビューはネタバレを含みます
「思いがけない冒険」のタイトルの通り、わりとサブストーリーとしてのプリクエル感はあるにしろ、LOR3部作からのゲスト出演や、徐々に忍び寄る不穏な存在を感じさせる演出、そしておなじみの壮大なスケールにはやっぱりほかにはない見応えがあった。でも、この映画がいちばんドライブする瞬間はアンディ・サーキスの磨きがかったゴラムがひたすら謎解きに煩悶するシーンだと思う。必要以上に長い尺を取られているし、ビルボが彼を殺さなかったことが、のちのち大きな影響を生むとはいえ、撮りたいから撮ってる感じがひしひしと伝わってきた。そろそろアカデミー賞をなにかでとってほしい。