Clara

ジョニー・マッド・ドッグのClaraのレビュー・感想・評価

ジョニー・マッド・ドッグ(2007年製作の映画)
2.5
胸糞悪い映画とは、まさにこういうのを言うんだろうと思った。
戦争関連の映画はよく観るし、こうした国際問題にも馴染みがある人間だが、これは観ていたくないと思ってしまった。
でも、こう思わせるのはある意味、この作品の成功かも。

キャストは元少年兵。
そしてスタッフも、紛争地などで仕事をした経験のある人が携わっていたりする。
だから、現実にとても近い作品を作り上げることができ、リアルだから不快になる。

リベリアでの撮影ということもあり、リベリア紛争で闘っていた少年兵たちがキャストかと。
他の作品でも残虐な行為には触れることができるが、彼らが発する言葉のひどさは、他ではなかなか見れない気がする。
仕方のない状況だが、子どもとは言え、無知が前面に出た暴言の数々に、何とも言えない気持ちになった。
私が不快に感じた理由は、まさにこのセリフだった。

幼い頃から闘ってきて、闘うしかなくて、気付けばそれが当たり前になり、むしろ遊びのようになってしまう。
そして、大人たちに適当なことを言われて使い始めた麻薬も、気付けば中毒に。
ほんと、いいことなんてなにもない。
不快になるが、観た方がいい1本とも言える。

少年兵とは真逆に、生きることを諦めない少女が登場するが、現場にこのように諦めずにいられる人がどれだけいるのだろうか、と考えてしまう。

ちなみに、TVでチラッと観たあやふやな記憶の情報だが、撮影が始まった頃は、キャストはみんなまだ少年兵の名残がプンプンしてたそう。
スタッフとの共同生活などを通して、徐々に人間らしさを取り戻し、更生にも寄与した映画でもある。
Clara

Clara