かぴばる

プラダを着た悪魔のかぴばるのレビュー・感想・評価

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)
4.7
 男女問わず絶大な支持を誇る最強のお仕事映画。同じアン・ハサウェイの代表作なら『マイ・インターン』も以前観たが、こっちのほうが好き。

 18年前の映画ということもあり、現代の価値観からすると、登場人物の口から飛び出るルッキズムの数々には辟易させられるが、そもそもファッション誌業界では当たり前の話だろうし、逆にこれぐらいの価値観でないとやっていけないんだろうね。「炭水化物を食べる人よ!」には笑ったけれど。食うだろ。

 本作はもちろん美しすぎるアン・ハサウェイを拝む作品だけれども、やはり作品を引き締めているのは標題にもなっている悪魔。このメリル・ストリープの非情さ、最後までブレない悪魔ぶり、『セッション』の鬼教官を思わせる。そんな彼女が見せる私生活の弱さが描かれるシーンもあるが、ここで絆されないのもいい。クールだ。

 無駄なシーンのないテンポの良い展開、際立ったキャラクターと小気味よい会話、そして華やかなファッション。私自身は引きこもりの陰キャなのでファッションなんてカスだと思っていたけれども、そういった人間にもぐいぐい刺してくるメッセージ性。世代を超えた名作といわれるに相応しい一品。