いまの目から見ると、パワーハラスメントが横行している職場の劣悪さもさることながら、それを耐え忍ぼうとする主人公のメンタリティーにピンとこない。権力を振りかざしている会社のトップの下についている人たちも、嫌味なヤツや精神論を説いてくるヤツばかり。そこに適応しようとしたところで、その劣悪さに見合う人格形成がされていくのは目に見えているし、実際にそうなる。意外性がないのだ。2006年公開の作品で、『ハリー・ポッター』シリーズネタが入っているのは時代を感じる。最終巻『死の秘宝』刊行前のタイミングか……。