ゆみモン

リボルバーのゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

リボルバー(1988年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

中年ジュリーは、敢えてフェイスラインや体型のゆるみを隠さず、カッコ良くない役に取り組んでいる。監督もそれを望んでいるし、ジュリーも楽しんでいるようだ。

やさぐれ警官は、拳銃を盗まれて退職し水商売の女性のヒモに。ジュリーは近松的な上方の色男の継承者だ。ダメダメなのにモテは途切れない。
ジュリーは、太めでも無精髭でもダメ警官でも、やっぱり素敵♥。目がセクシーなのだ。

この映画では、ジュリーが最後に死ななくて良かった。(多くの作品で死んでいるから)札幌の公園で、見合い相手の女性に撃たれてしまうのかと思った。
手塚理美演じる節子と、結局は一緒にならず別れたのはカッコいい。

高校生の進が(殴られてくやしいのはわかるが)相手の男を殺したいと思い、鹿児島から札幌まで追い詰める…というのが現実離れしている気がした!拳銃を拾ったから、思いを実行に移そうとしたのだろうが。

【追記】2022.9.15
神保町シアターの「神代辰巳と藤田敏八特集」にて再度鑑賞。
やはり大きなスクリーンて観る映画はいい。
何度も観ているこの作品も、こんなに面白かったんだ〜と感じた。
複雑に絡み合っているいくつかの群像劇が、わざとらしく無く接触したりすれ違ったり…というのもさすがだと思った。
柄本明と尾美としのりのギャンブラーコンビが、陰の主役かもしれない。


藤田敏八監督の遺作。